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根気と情熱と。 ~支援者スキルアップ研修「強度行動障害」から~
2015-11-14
  今年もやりました!!昨年に続き法人内全体研修。受講生は新人から6年目までの男女数十名。かたや講師は入職20年超の大ベテラン。支援者のスキルアップを目指した今年のテーマは「強度行動障害」。
 自閉症の利用者が9割を超える当法人にとって「強度行動障害」の理解とその支援は必須のもの。終了後、受講生からの声は「わかりやすかった」、「理解できた」が大半をしめた。ちょっとまって…ホントかな??
 あたまでは理解できても、実際の支援に活かし問題となっている行動を未然に防ぐことはもちろんだが、自閉症の人たちが自閉症のままで安心して生活できるようになるまで、「構造化」はひとつの手段にすぎない。ひとりひとりが納得のいく支援へ、その先までおしすすめるためには、たゆまない工夫と努力が必要になるのです。根気と情熱がいる。精神論は時代にそぐわないといわれるかもしれない。しかしわたしたち職員が共生社会をめざすには情熱がいる。自立へと向かうには障害をかかえる彼らの意欲をひきださなければできない。心のない支援は伝わらないのだから。
研修はつぎの行動をうむ引き金でしかない。だからそれが血となり肉となるまで情熱をそそぎつづける。
 
                                                                                                
                                                                                             研修委員会委員長 内山智裕
 
 
須田初枝理事長、障害者自立更正等厚生労働大臣賞受賞
2015-11-10
  けやきの郷須田初枝理事長が、平成27年度(第65回)障害者自立更正等厚生労働大臣賞表彰を受賞されます。
須田理事長は、昭和53年に発足した、自閉症児者親の会全国協議会の設立にかかわり、以来、特に、教育の分野で、情緒障害学級の新設をはじめとし、50年近く、自閉症の人たち・家族の先頭にたって、自閉症の人たちが、幸せに豊かに生きるために一生を捧げてきたといっても、過言ではありません。
平成元年には、「親の会」が、「社団法人日本自閉症協会」(現在は、一般社団法人)になりましたが、協会になってからも副会長という要職で、障害者基本法の改正、発達障害者支援法の成立にも、中心となって活躍されてきました。
 昭和60年には、義務教育を終わっても、どこへも行き場のなかった自閉症の人たちのために生涯発達を保障する場として、21人の親たちの中心となって、日本では2番目にあたる自閉症者専門施設「社会福祉法人けやきの郷」を立ち上げました。
 ご存じのように「働くことを療育の中心に」「障害の重い人も軽い人も、ともに支え合って自立していこうー集団自立」の理念のもと、日本でただ一つの、自閉症の人たちだけのA型事業所(最低賃金を支払うことが条件)「やまびこ製作所」をはじめ、自閉症を中心とする発達障害の支援の場を次々に作り上げるなど、理事長としての活躍も受賞の中に込められていると思われます。
 「自閉症」が、社会的に、ほとんど周知されていなかった時代から、一貫して、自閉症の人たち・家族の先頭に立って牽引してきた須田理事長の足跡と功績を、けやきの郷の一員である私たちも学び、これからの支援につなげていく責任を果たしていきたいと思います。
 
 
北京市自閉症児リハビリテーション協会との交流会に参加して
2015-10-16
   
 けやきの郷には、毎年、海外から多くの見学の方がお出でになります。
中でも、北京市自閉症児リハビリテーション協会との交流は深く、副会長の朱春燕さんは、けやきの郷の「集団自立」に深く賛同し、北京での成人施設の設立をめざして、けやきの郷を4回見学。この10月には、北京での講演・発表を要請され、けやきの郷から5名のメンバー(伊得やまびこ製作所所長、川口やまびこ製作所職員、小笠原グループホーム施設長、白井和子評議員、真木さん親子)が訪中、大きな反響を呼びました。以下、代表して、伊得やまびこ製作所所長の報告を掲載します。
                  
 
北京市自閉症児リハビリテーション協会との交流会に参加して
           
                              
 10月16日から20日まで、中華人民共和国・北京市自閉症児リハビリテーション協会(以下「協会」という)の招聘により、けやきの郷代表(5名)として訪中しました。
 訪中の最大の目的は、北京大学医学部構内にあります講堂で18日に協会主催による、けやきの郷実践報告並びに北京市を中心とした全国から集った自閉症の子どもを持つ親・障害者施設を運営する経営者や支援者・学校の先生・医師等、障害者の社会参加と自立に向け積極的に関わりを持たれている方々との意見交換・交流にありました。
 交流会において最初に、贾美香会長より私たち訪中メンバー1人ひとりの丁寧な紹介をして頂き、私は、なるほど歴史と文化を重んじる国の方というのは、このようにして客人を心から大切にされるのかと、そのおもてなしの心に感動いたしました。
ここで贾会長は、2006年10月に日本自閉症協会の招聘により訪日した折、けやきの郷訪問の感想を次のように話されました。
「けやきの郷の創立、それはどれほどの困難な道のりであったことでしょうか?須田理事長・阿部常務理事を中心とした親たち(特に母親)21名があの住民からの強烈な反対運動に屈しなかったエネルギーはいったいどこからきたのでしょう。それは当時まだまだ日本社会において理解されていなかった自閉症という障害を持つ我が子のため、そして行動問題を抱え先の見えないトンネルの中で苦しむ全国の母子のため、これから活きいきと安心して暮らせる場を作り残すとのだという強い思いがあったからであると私は考えます。
 そのように考える事が出来たのは、実際にけやきの郷を訪問し、重い自閉症の人たちが集団自立という法人の理念のもと、実に溌剌と誇りと自信に満ち溢れて仕事をしている姿を見ることが出来たからです。
そして,このような施設を北京市にも創りたいという思いを強くしました。いつの日かけやきの郷の代表者をお招きし直接多くの方々にけやきの郷の実践についてお話しして頂ける機会をと考えておりましたところ、当協会の朱春燕副会長のご尽力によりまして、本日このように現実のものとすることが出来ました。
 中国においては、まだ自閉症の人たちにとって充実した成人の施設はありません。社会的にも障害者理解は進んでいないのです。
 今日は、けやきの郷から学び、そして中日の友好と自閉症児・者の幸せのために、手と手を取り合って共々に頑張って参りましょう。
 須田先生・阿部先生ありがとうございます。
 両先生にくれぐれもよろしくお伝えください。謝謝」
 実に謙虚な御挨拶に贾会長の高貴な人格を感じるとともに、私個人にとりましては、最後の両先生にくれぐれもよろしくお伝えくださいとのご伝言は、有名な中国の故事「水を飲む人は井戸を掘った人の恩を忘れない」を思い出させて頂くものとなりました。
 このような中での、けやきの郷実践報告となり責任の重さをさらに強く感じることとなりました。
 
交流進め、信頼関係を強化 
 
  はじめに、当法人の阿部常務理事より預かったビデオメッセージで、けやきの郷全体の事業所説明と理念の中心にある「集団自立」について紹介をしました。
  次に、私から、やまびこ製作所の実践をNHKの首都圏ネットワークで放映されたビデオや事業所パンフレットを使いながら集団自立の具現化に重きを置いて話をさせていただきました。また、創業する事の困難さ、安定的に事業運営を推進していく上での試練、それらを乗り越えていく力となった中国の故事「愚公移山」(この扁額が、初雁の家の玄関に飾られています)、今後さらに自閉症の人たちの所得の保障のための取り組みを多角的に進めていく決意を述べました。
そして、小笠原施設長・白井和子さんの話の後、質問会となりました。
 現在の中国における成人期障害者支援施設はまだ充実したものになってないとの背景から、働くことの本人への動機づけ・性に関する事等、また施設の運営費及び運営状況についても活発な議論が交わされました。
休憩時のフロアーでのことでしたが、江蘇省南京市から10時間かけて参加してくれた重度の自閉症の子をもつお母さんが、やまびこ製作所で一生懸命に材木運びをするメンバーに感激と感動した様子で、我が子と共に生きていく勇気と力を頂きましたと私に話してくれたのが、強く心に残っています。
 今回の訪中では、けやきの郷に対する過分な評価を受けてしまいましたが、すべて私たち職員への激励と受け止め、今回の経験を日常支援にそして各事業所の運営と発展のために生かしていくとともに、中国との更なる友好交流を広げて参りたいと思います。
 結びに、この度の訪中において、お世話になりました両国のすべての方々、特に通訳として、また旅の安全にも様々心配りをして頂きました、朱春燕副会長に最大の感謝と御礼を申し上げます。
 
 
 皆様、本当にありがとうございました。

                                 社会福祉法人 けやきの郷
                                 就労支援A型事業所
                                 やまびこ製作所
                                 所長 伊得 正則
 
 
けやきの郷創立30周年記念式典
2015-07-04
 
 
利用者も全員参加、 けやきの郷創立30周年記念式典で、「私たちの夢」を発表
 
 社会福祉法人けやきの郷は、いまからちょうど30年前の7月6日、最初の事業所である、入所施設「初雁の家」(定員50名)を開所しました。親が発起人となって設立した自閉症専門施設としては、日本で2番目です。
 ホームページでご覧いただければお分かりのように、建設用地をめぐって、地域住民の大きな反対を受け、「障害者の人権問題」として、マスコミにとりあがられたほどで、開所までに7年かかりました。
 発起人、わが子たちの思いをのせた開所式の2,3日前には大雨が降り、園庭は見事なほどの湖状態。それでも、やっと、わが子たちの居場所が出来た、生涯発達の場ができたことで、私たちの喜びは、どんなに大きかったことか!
それから30年。あっという間の30年でした。
重い知的障害をもった自閉症の親21名が発起人となって「生涯発達の場を」と設立したけやきの郷ですが、反対運動をバネとし、支えてとして打ち立てた「どんなに障害が重くても地域で自立していく」「障害の重い人も軽い人も共に支え合って自立していくー集団自立」との理念のもと、利用者のためにを旗印に、制度を先取りし、働く場と生活の場をセットとして先駆的に走ってきました。
現在、利用者は107名、職員も、パートの方も含めて100名ほど。
記念式典、それにつづく祝賀式には、70数名のお客様のほか、けやきの郷全事業所の利用者・保護者、職員も出席。300余名の参加となりました。
場所は、川越プリンスホテルの宴会場。いつもは、結婚式会場などで使われている場所です。写真のように、広々とした祝賀式場に、真っ白いテーブルクロスをかけた7人がけの丸テーブル。サイコロステーキのフルコースです。お皿の両脇には、ナイフとフォーク。前菜とスープから始まって・・・当たり前のことですが、重い障害をもった人たちが、家族連れで、こんな場所にくるのは滅茶苦茶勇気がいります。他人の目が気になったり、わが子が、突然、何か気に入らなくて、パニックになったら、などと思ってしまいますから、一度だって来たことのない親もいっぱいいます。でも今日は安心です。利用者の状況をよく分かっている職員がいるから安心していられます。
それぞれの利用者がおちついてフルコースを平らげているのを見て、いや、フルコースのセットがしてあるだけで、親の中には、涙ぐんでいる人もいました。
このお祝いに、お忙しい中かけつけて下さった国会・県会・市会議員の方々、県・市の行政の方々、自閉症協会、JDDネットワークはじめ、自閉症・発達障害関係の方々のお祝詞、乾杯につづき、タイの方たちによる祝典の舞が。タイダンスは「やまびこ製作所」でパートとしてお仕事をしているタイの職員の紹介でしたが、きらびやかなダンスに、利用者は釘付け。そして、いつもの「ぽかぽか」さんによる、けやきの郷のテーマソング「やったね」がはじまると、みんなイスから立ち上がり、お客さまもつり込まれて、一緒に踊り出す人も。
圧巻は、利用者による「私の夢」の発表でした。「やまびこ製作所」「グループホーム」「ワークセンターけやき」の利用者からの「ステーキを食べたいです・・・」「いっしょうけんめいお仕事して、ディズニーランドにいきます」「お母さんに、ありがとうをいいたいです」。そして、「初雁の家」の利用者が「ありがとう」の文字を書いたパネルを掲げたとき、みんな涙、涙・・・
北京からも、自閉症リハビリテーション協会の副会長である朱春燕さんもかけつけ「鵬程萬里」の書を掲げました。「中国とけやきの郷は、鵬のようにお互い海を越えて交流していきましょう」との意。私は、これを、「初雁からはじまったけやきの郷も、いまや鵬となって万里を越えていかなければ」と読み、朱さんと固い握手を交わしました。
3時間にわたった祝賀式でしたが、固く決意したのは、「原点への回帰」ということ。
草創の理念を、親も職員も再確認し、あらためてスタートをきること。利用者の生涯発達のために・・・
これからの30年をめざして行きます!
 
 
 
「想い」をつないで「力」に・・・・
2015-03-13
「想い」をつないで「力」に・・・・
「やまびこ製作所」の保護者会で
 
 
「やまびこ製作所」は、けやきの郷の中の就労継続支援A型事業所です。
といっても、A型って何?ってことですよね。
「やまびこ」って何?
ホームページに出ていますので、ご覧いただければと思うのですが、やまびこは、入所施設「初雁の家」についで2番目に開所した事業所で、パレットといって、木製荷台(すのこのような運搬台)を作っています。
A型とは、最低賃金を支払い利用者と雇用契約を結ぶことが条件の事業所。障害者の施設で最低賃金を支払うのは結構大変なので、全国でも、さほど多くはないのですが、まして自閉症の人だけのA型事業所は、ここ、やまびこだけです。
やまびこでは、26名の利用者のうち、18名が雇用契約を結び、月産12,000枚のパレットを製作。2人1組、あうんの呼吸で、通称エアガンという7気圧の釘打ち機で打っていくのです。それは見事です。
自閉症の人があうんの呼吸で? 2人1組で?と、コミュニケーションが難しいはずの自閉症のことをご存じの方ほど、不思議に思うかもしれませんね。でも、出来るんです。やっているのです。このほか、木材のカットや、できあがったパレットに社名を刷り込む作業もペアです。26名の利用者の中には、障害の最重度、重度の人が半分以上います。「障害の重い人も軽度の人も支え合って生きていく」―私たちは、これを「集団自立」と呼んでいますが、この集団で、しかも、自閉症の特徴を生かした「こだわり」―正確に、丁寧にが、製品づくりに生きている。そんな職場がやまびこです。
「想い」をつないだ保護者会―反対運動をバネにして
 ところで、3月13日、この「やまびこ」の保護者会がありました。お昼を、わが子たち、職員と一緒に食事し、保護者から、一言ずつの感想がありました。
 けやきの郷は、今年7月、最初の入所施設「初雁の家」を開所して30年。でも、開所までに7年かかりました。地域住民の反対にあったからです。発起人会を設立して3年目に、やっとみつけた4500坪の土地。当時、埼玉県には、障害者施設の建設にあたっては、半径300メートル以内の全住民の同意をとること、という行政指導がありました。予定地から350メートル離れたところにHニュータウンがあり、同意書をもらったのですが、書類提出の10日前に、突然、白紙撤回の申し入れがあり、大きな反対運動となりました。
① 、自閉症はキケンだ。婦女暴行、強盗火付け、カッパライ。②、このような迷惑施設
ができたら、土地の値段が下がり、財産価値が減る、という2つの理由からでした。
この反対運動は、障害者の人権問題として、マスコミにも取り上げられたので、ご存じの方もあるかもしれません。自閉症を知ってもらいたい、と、私たちは1500戸のニュータウンを個別訪問、ミニ説明会も含め、30回以上の説明会を開きました。木枯らしの中、トイレも使用できないように鍵をかけられた悲しみ・痛みは、いまでもはっきり覚えています。
 反対運動にあった私たちは、自閉症のことを分かってもらうには地域にでていくことだ、と、開所当初から、地域に働く場を見つけ、その一つが、パレット工場でした。そこで技術を身につけ、自立していこうと開所したのが、働く場としての「やまびこ」と、生活の場であるグループホームでした。制度が十分でないなか、親も食事づくりなどして、必死で支えてきた20年・・・。
 保護者会で、体調の悪い母親に代わって出席した妹のAさんが、「私はまだ5歳だったけど、母に手を引かれて、空っ風の中、お願いに歩いたH村のことは、はっきり覚えています。いま、兄は、あのときの兄から、こんなに成長しました。これからも母の想いを引き継いで、一緒にがんばっていきます」と発言。途端に、保護者の中の発起人も、あとから入ってきた利用者の親も、この4月から入る利用者のお母さんも、涙、涙となりました。37年の重みと想いがいっぱいつまった言葉だったからです。
 やまびこを、けやきの郷を支えてきたのは、このような「想い」。家族の、職員の「想い」そして、それを「力」に変えたからなのです。
 「人間として、豊かで、幸せで、責任をもって人生を送る」との理念のもと、「働く誇り!生きる喜び!」を体現している彼ら。そのための環境を整え、企業の信頼を勝ち得てきた職員。「まだまだ、これからもずっと発展途上です」という所長ですが、その職員とともに歩んできたわが子らが、これからは、「想い」を伝えていく番です。ことばがなくても、その後姿から、その働く顔から、輝く目から、「想い」を感じ取り、「力」に変えるのが職員。
そんなけやきであってほしい。そんなけやきであるだろう・・・昼食会から、そんな願いと希望を、Aさんの涙から、私たちは感じとったのです。
 
 
 
どんな災害が起こっても、あなたたち利用者を守っていくよ~
2015-02-28
どんな災害が起こっても、あなたたち利用者を守っていくよ~
―BCP(事業継続計画)研修会の感想―
~といえるだけの100点満点の態勢であるべく、BCP研修会を、2月28日(土)に開催しました。
 BCPって何? 講師の浅野睦先生(株式会社フォーサイツコンサルティング)によれば、「事業継続計画とは、災害や事故によって、通常業務が中断した場合に、可能な限り短時間で業務が再開できるように事前に必要な対策を計画化しておくこと」
 私たちの仕事は、まず第一に利用者の命を守ること(もちろん、職員の命も)、と同時に、環境に揺さぶられやすい彼らの心を安定させること。そのためには、一刻も早く、いつもの環境に戻していくことが必要。 そう考えて当法人の災害対策委員会が、「本部の責任者や施設長がいなくても、真夜中とか、いかなる時間帯であっても、職員一人ひとりが自分の頭で考え行動できること」を願って、BCPの権威である浅野睦先生に研修をお願いしたものです。
 参加者は30名、法人本部、各事業所の主任、チーフ、支援員、調理等の職員も。
午前中は、BCPの実例や、防災の基本、支援の継続、復旧の計画、そのためには、何を想定し準備すべきか等がぎっしりつまったお話で、当直明けの職員も、いつもなら家でうつらうつらなのでしょうが、居眠りどころか、どんどん目が輝いていく迫力。
ハイライトが、午後の演習―災害本部立ち上げ訓練でした。実は、去年7月、われわれも、この立ち上げ訓練をやってはいたのですが、今回は、やっぱり違う。何が違うって、規模と緊張感、結果としての「対策の緻密さ」がです。
班ごとに、大きな模造紙2枚、赤と黒のサインペン、黄色とピンクの付箋が配られ、「これって何に使うの」と思っているうちに、「初雁の家」の被害状況―大規模地震発生から2時間後に対策本部に集まった被害や怪我などの情報を報告順にびっしり書き込んだ紙が班ごとに配られ、「1時間で考えて下さい」とのこと。
1時間もあると思っていたらとんでもない。この赤と黒のサインペン、黄色とピンクの付箋の区別は?・・・でも、目的は、安否・安全確認、復旧への対策・指示、実行だよね、と各班、それぞれ、汗びっしょりになりながら、プランを立ちあげました。
それぞれの班が策定したプランに講評と先生の模範解答をいただき、なるほど・・
優先順位をつけた対策、危険なものには即対応―そのために、色分けマーカーや付箋があったのでした。
ここで学んだ一番大事なことは、「何を失ったら大変か。そのためには、一歩早く何をすべきか、自分は何をすべきか、共通認識の構築」というものでした。
これって利用者支援と全く同じです。そこに気づかせて下さった浅野先生の研修は、やっぱりすごかった!「おんなじなんだよなあ」とつぶやいて帰る職員、頼もしかった!
命を守ること・生きること・それを持続していくこと―基本は同じ。これから起きるだろうことを一歩早く想定し、自分の頭で考え対処する――汗びっしょりになりましたが、浅野先生、職員は(私も)、また一歩成長したようです! 
 
常務理事 阿部叔子
 
 
第一回茶話会
2015-02-20
「茶話会」にようこそ!
けやきの郷研修委員会の主催で、第1回の「茶話会」が開かれました。えっ、「茶話会」で研修?  
そう、大きな丸テーブルには、サンドイッチ、おにぎり、おいなりさん、飲み物。出入りも自由。少人数で、職員の誰かがいま抱えている悩み・取組を話題提供し、役職者、先輩、後輩、ともに遠慮なく話し合っていく中で、支援のあり方、利用者の豊かな生き方、自分の生き方(大きくいえば・・・)を確認し、共有していこうというもの。
本来、こうした議論の場は、自然発生的に生まれてしかるべきで、それぞれの事業所内では、熱くなった思いや悩みをぶつけあう場面もちょいちょい見受けられますが、いまや、時間刻みに忙しい日中活動支援、生活支援の事業所の職員が、自由平等の立場で、事業所の枠をこえてガヤガヤ議論するには、それに、長く生きてきた利用者の支援を考えるには、「いま、現在」の視点だけではなく、あっちこっちの事業所に散らばっている先輩たちの意見だってほしい、それには、こんな茶話会がいいのでは?と、研修委員がチエをしぼって考え出したものです!
 第1回の「茶話会」の話題提供者は、「初雁の家」の支援員Aさん。担当のBさんの外出支援についてでした。集まった職員は、他事業所の施設長、課長、事務職員も含め16名。第1回目にしては、まずまずの顔ぶれ。自閉症の息子の親であり、けやきの郷の設立発起人の一人であり、現在、常務理事をつとめている私も、その一人です。
 Bさんは、50代の女性。私は、彼女が5,6歳のころから知っています。でも、お母さんは12年前、お父さんは3年前に亡くなりました。
 お父さんにそっくりの面長、目の愛らしいBさんは、もともとお父さんっ子。明るくて活発で、地域でも活躍していたお母さんが亡くなったあとも、背広をバリッと着こなし、ハンサムなお父さんと週末には腕を組んで美容院に行き、スパゲッティを食べ、また、腕を組んで「初雁の家」に帰ってくるのがお決まりのコースでした。
 そのお父さんが亡くなった後、Bさんは、みるみるうちに10キロも痩せました。病院で検査をしても、どこも悪いところはないのに・・・。Bさんのキーパーソンであったお父さんに代わり、「初雁の家」が第2の家に、職員がキーパーソンにならなければ・・・そんな職員の必死の取り組みの中で、A支援員が取り組んできたのが、お父さんとの外出を楽しみにしていたBさんに、「本人のための充実したレクを、どう構築するか」でした。
 Bさんは、言葉でのやり取りは得意ではなく、感情の揺れもあります。一日の中でも波があります。先の予定を、いろいろな方法であらかじめ提示しても、それだけでは、Bさんの安定には、必ずしもつながりません。A支援員は、いままでのレクの様子を具体的に語り、同僚の職員、先輩の職員が、日常の様子、かつてのBさんを語り、レクの課題―外出を、どう本人に伝えたらよいのか、長い車の移動中、時々不安定になるBさんに、どう対処したらよいのか、この先、お楽しみが待っていることをどう伝えたらよいのか、でも、楽しそうに食事を自分で選んでいるよね・・・などど語りあうなか、「でも、Bさんは、前よりもずっと意思表示ができるようになったんじゃない?」という声がみんなからあがりました。そうなんです。「Bさんは、前は、『スパゲッティたべたい』『コーヒーのみたい』なんて言わなかったよ。これって、Bさんが、もしかしたらお父さんやお母さんに代わって、職員を信頼してきたってことじゃない?」
外出支援に対し、まだまだ課題はありますが、お父さんの死で落ち込んだBさんが、職員に対して信頼を取り戻していく過程が確実に浮き彫りにされていきました。
 2時間の「茶話会」でしたが、みな立ち去りがたく、興奮の余韻が渦巻き、A支援員も、ほっとした様子。
 そんな茶話会から、私は、義務教育を終わってもどこへも行き場のなかったわが子たちのために願った理念、「当たり前の人間としての尊厳をもって、幸せに豊かに責任を持って生きる」「生涯発達」を、これから、けやきの郷をついでいく職員に感じとった、私にとっても「お腹いっぱいになった茶話会」でした。ちなみに、Bさんは、もとの体重に戻っています!
 これからも、「茶話会」にようこそ!
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                                   常務理事 阿部叔子
 

 

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